ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

じんましんの話(自分の。後編)

えーと、どこまでいったっけ。そうそう。

床屋さんでの衝撃・・・それからというもの、

気が小さいベル先生は、慣れない英語の原稿を作り(これは、そんなに時間はかからない)、スライドを英語版で作り、座長の先生の業績(論文)に眼を通し・・・そして、英会話の先生(科学論文などに詳しい先生を紹介して頂いた)のもとに何度も通って、発音を習い、原稿を校正して頂き・・・と準備に余念がありませんでした。

『海外留学などされていた先生なら、こんなの、余裕なんだろうなぁ』などど考えつつ。

まあこの準備中も、チラホラとじんましんが出ることはありました。お薬のめば、すぐ引く程度の。

そしてなんとか、準備も整い、発表直前の、予行演習(教授はじめ、小児科の先生方の前で、実演します。学会発表の前は、みんなそうします)では、持ち時間20分のところ、まさかの19分45秒という絶妙なタイムをたたき出し、『なんとかなりそうだ』と一安心。

そこで、教授から、

『質疑応答の準備もしてあるよね?』と。

『もちろんです』

たしかに、いくつか予想される質問は考えて、それに対する答えは、書いてありました。

『じゃあ大丈夫だね。ご苦労さん。頑張ってね』

『はい! ありがとうございます』

・・・そして、発表前日の夕方に、学会場近くのビジネスホテルに到着。

部屋で持参したパソコンをひらき、もういちど見直し・・・『だ・大丈夫かなぁ。』

・・・あれ、なんかかゆくなってきた

そこからは、皆さんの予想通りです。

それまでで最大級のじんましん出現。全身的に出ました。
気味悪いし、思い出すと、かゆくなるので、お題に直結する部分ではありますが、詳細は割愛いたします。

もちろん、お薬は持参してあったので、いくつか複合的に内服。翌朝には改善。

そして当日。11月3日でした。たしか。

寸前になると、案外緊張しないものだということに気づきました。昨夜内服したお薬のおかげで、じんましんも、なりをひそめ。

『First of all,・・・』から始め、心拍数の上昇を意識しないようにしながら、発表終了

それはよしとして、質疑応答では、座長のイギリスの先生の質問、やっと意味はつかめたものの(と〜ってもゆっくり話して下さった)、事前準備した質問であるはずもなく、頭の中、真っ白になり、質問の答えとはかけ離れた、なんだか自分でも意味のわからない英語をしゃべってしまいました。聴衆のみなさんからは、こわれたプレーヤーみたいに見えたでしょう。確かに、座長の先生も、苦笑していました。ご勘弁ください・・・

以上、心理的なプレッシャーで、じんましんが出ることを、身を以て学んだ、お話でした。



ちなみに、その日、発表が終わったそのあとは、ひとつぶのじんましんも出ませんでした。