ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

最近のワクチンの状況について・・・

とあるワクチンメーカーの製造する、数種類のワクチンが、出荷停止(自粛)となっていることは、すでに大きく報道されています。

ここまで報道がなされる前に、現場では、特に『4種混合ワクチン』の出荷自粛による在庫不足で、予約停止や、接種延期となってしまったお子さんもおられました。

大変ご迷惑をおかけしました。

『4種混合ワクチン』については、日本小児科医会からの要望がみとめられ、現在、出荷が再開され、通常の流通体制にもどったため、通常の予約状況に戻すことができました。

しかし、同メーカー製造の他の2つのワクチンは、出荷停止が続いており、いつ再開されるかまったく見通しが立ちません。

日本脳炎ワクチンとB型肝炎ワクチンです。

本日も、接種にこられたお子さんの保護者のかたが、「このメーカーのワクチンは、接種して大丈夫なんですか?」と心配されていましたが、ワクチンそのものは、国家検定(国の品質試験のようなもの)を全てパスしているワクチンなので、問題はないのです。

もちろん、4種混合ワクチンにも同じことが言えます。小児科医会が、それの早期の出荷再開を求めたという経緯からも、ご理解いただけると思います。

で、なぜ、出荷停止なのかという理由について、報道をいろいろ総合すると、どうやら、メーカーが国に提出する「承認書」(たぶん、「こうやってワクチンを作りますよ。承認してください」という書類と思います)と、実際の製造工程に、違う部分があり、それをずっと隠してきた、というのが問題のようですね。

品質に問題なく、接種可能なワクチンが出荷停止となる理由が、こういったメーカー内部の問題ということです。

代替のワクチンメーカーも、増産をかけたりして、ワクチン不足が起こらないように努力しているようです。

当院でもできる限り、接種の延期などないように努力しています。が、来月(来年)になると、おそらく予約停止などの措置をとらざるを得ない状況になりそうです。

お子さんたちにご迷惑がかかるのがもっとも心苦しいことですが、何卒ご理解くださるようお願い致します。