ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

マイコプラズマ?

今年のこの時期,7月前半くらいから,マイコプラズマ感染と思われる,気管支炎,肺炎,あるいは長引く咳のお子さんが異様に多い。

県の感染症情報でも,例年の3倍以上の感染者数が報告されています。

http://www.pref.gunma.jp/02/p07600035.html

以前もたしか,このブログに書きましたが,マイコプラズマには,ある種の抗生剤が有効です。当院で処方しているそれらの薬剤名は,「クラリス」,「クラリシッド」,「ジスロマック」,「ミノマイシン」などです。

前の3者については,いわゆる「耐性菌」の報告があり,うまい具合に効果が出ないことも,時々あります。最後の「ミノマイシン」は,かなり効果が高いですが,永久歯ができる前のお子さん,概ね8歳未満のお子さんには,「永久歯に黄色の色素沈着を残す可能性がある」という理由で,使いづらい側面があります。

そして,これは個人的な意見ですが,「急性期には,抗生剤はおそらく有効。でも,発病当初の熱が下がって,頑固な咳が残っているだけの状態だと,抗生剤の効果はそれほど無い」ように思います。

鎮咳薬や去痰薬,ときに吸入療法などを併用して,症状を鎮静化しますが,それでも1か月近く,痰がらみの咳が残ってしまうお子さんもいらっしゃいます。いろいろな面で,対応に苦慮することの多い,やっかいなバイ菌です。

なんとか早く症状が軽減するように,お子さんの状態に応じて,治療方針を(悩みつつ)決めています。