ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

アレルギー検査をお考えの方へ

「とくに症状があるわけではないんですけど、今度、保育園に入園するので、何かアレルギーがあるのか無いのか、調べたいんですけど・・・」

 

「お姉ちゃんが、卵アレルギーなので、この子もアレルギーが無いか心配で、調べたいんですが・・・」

 

「これまで、食べ物のアレルギー症状が出たことはないんですが、まだ、お蕎麦を食べさせたことがないので、食べさせても大丈夫かどうか、調べてみたいんですが・・・」

 

といった質問が時々あります。

 

これについての回答は・・・以下の通りです。

 

基本的に、アレルギーの検査は、

 

例えば、

 

『○○を食べて、口や顔が真っ赤になってしまったので、○○アレルギーの可能性があるから、調べてみましょう』

 

というふうに使います。

 

本当に食物アレルギーの症状か? 

もしアレルギーなら、何の食物によるアレルギー症状か?

 

を調べるものです。

 

なので、『症状は特にないけれども、調べてみたい』という場合は、

保険診療にはならず、「自費診療」(お金がかかる)になります。

 

最近では、食物アレルギーの考え方として・・・

 

①食べても、目立った症状が出ない食物については、(たまたま検査で)アレルギーがあると分かった場合でも、そのまま食べ続けて問題ない。

 

②たくさん食べたり、体調を崩している時に食べると、蕁麻疹などの症状が出てしまうが、少量食べても症状は出ないような場合、症状が出ない範囲内で食べ続けて問題ない。

 

ということが言われています。

 

ということは、少量でも、食べて明らかな症状が出てしまうような場合を除いて、

 

食べないように注意する(これを『除去』と言います)必要はないのです。

 

ですから、症状なく食べられるものについては、検査する必要もありません(そのまま食べていてよい)。

 

また、それまで特に食物アレルギーの症状がないのに、「お蕎麦とかピーナツは、何となく怖いから」といって除去する必要は無い、ということになります。

 

もちろん、食べて、何らかの症状(お子さんの場合は、皮膚症状(蕁麻疹・口周囲の赤み・まぶたの腫れなど)や、嘔吐が多いです)が出てしまった場合は、原因が何で、どの程度のアレルギーがあるのかを突き止めるという点で、検査する意味が出てきます。(こういった場合は、「保険診療」です)

 

まとめると、アレルギーの検査は、

症状がないのに、「何かアレルギーが無いかを調べる」のではなくて、

何かの症状が出たときに、

「何のアレルギーによる症状で、どの程度なのか、を調べて、対策に結びつける」

ものと思って頂くのがよいでしょう。

 

これは、鼻炎や結膜炎の時も同じです。

 

鼻水や鼻詰まり、目の痒みなどが、

 

そもそもアレルギーなのかどうか?

 

アレルギーなら、花粉症なのか、ハウスダストやダニによるものなのか?

 

それとも、鼻風邪によるものなのか?

 

調べると原因がはっきりするので対処しやすくなります。

 

一方、「症状はないけれども、花粉症かどうか知りたい」という場合は、

 

「自費診療」になります。

 

お子さんのアレルギー検査をお考えの方のご参考になればと思います。

 

なお、自費診療での検査料などについては、クリニックまでお電話をいただければ、スタッフがご案内致します。