ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

流行状況

最近、日ごとの、または、一日のうちでの、気温差が大きいせいか、カゼひきさんが多いようです。

軽度の咳・鼻カゼのお子さんがほとんどですが、そんななかで目立つのは、嘔吐下痢症と、気管支炎のお子さんです。

嘔吐下痢症は、一部の保育園や幼稚園で流行がみられています。脱水になってしまうようなお子さんは少ないですが、下痢が長引いたり、かかってしまったあとに、なかなか体力が回復せず、なんとなく元気がない状態が続くお子さんもみられます。

気管支炎のお子さんたちの中の一部は、ヒトメタニューモウイルスが原因です。これも、保育園などで流行がみられているところがあります。

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こちらをごらん下さい。

これの問題点のひとつは、大人もうつってしまいやすいという点です。たしかに、ご家族みんな、咳カゼになってしまった、という方も多いです。しかも、インフルエンザに対するタミフルリレンザなどといったような、特別な治療もありません。

咳がひどく、しかも長引く場合が多いので、やむをえず、吸入器を貸し出しして、ご自宅で吸入療法を行っていただく場合もあります。

まだあと2ヶ月程度は、このウイルスは局地的に流行るでしょう。要注意です。

それから、溶連菌感染症や、アデノウイルス感染症プール熱咽頭結膜熱とも言います)も、冬場より多い気がします。

これらは、迅速検査で正確な診断ができます。治療方針が異なる(溶連菌だったら、抗生剤が必須。アデノだと、対症療法が主体。)ので、疑いを持ったらなるべく検査をするようにしています。

いずれにしても、やっぱり、予防は「手洗い、うがい」に尽きると言ってよいでしょう。

暖かくなった(日によっては、暑いくらいですが)とはいえ、油断は禁物のようです。