ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

中耳炎、など。

「・・・では、お薬を出しますね。抗生剤も、必要です。」

こんな説明が多い。

僕は、自分でも戒めて、なるべく、抗生剤は、乱発しないように気をつけています。

同じ「のどカゼ」でも、おそらく、抗生剤が効くような「細菌性」のカゼは、1割程度だと思います。
その他ほとんどは、「ウイルス性」つまり、抗生剤は何の効果もない、カゼだと思います。
この時期流行している、「ヘルパンギーナ」も、「プール熱アデノウイルス感染症)」も、ウイルス性です。
だから、こういったカゼには、抗生剤は、効きません。
だから、抗生剤は、おいそれと出さないようには、気をつけています。

ではなぜ、最初のような説明が多くなるか。

その理由の大きなものが、「中耳炎」です。

当院は、比較的、年齢層の低いお子さんが多いので、中耳炎のお子さんも、かなり多い。
簡単に言うと、ちいさいお子さんは、耳と鼻の距離が近いので、中耳炎になりやすいのです。

で、「のどカゼですね」と言ったあと、耳を確認すると、「腫れてる・・・」ということがしばしばです。
鼓膜の向こう側に、しっかり「膿」が溜まってる・・・

こうなると、どうしても抗生剤の処方が必要になってきます。

このパターンがかなり多いです。

中耳炎でも、ワンパターンの抗生剤投与というのは、「耐性菌」ができてしまうなどの点から、好ましくないので、その時々で、いろいろと手を換え品を換え、量を換え、処方しています。

それでも改善しない場合、また、鼓膜の腫れが特にひどく、「鼓膜切開」が必要と思われる場合、それから、年の大きなお子さんで、中耳炎を繰り返す場合は、耳鼻科の先生を受診して頂くよう、説明しています。