ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

流行状況、など。

最近の、流行状況です。

嘔吐下痢症が、引き続き蔓延しています。
中には、高熱を伴うお子さんがいらっしゃいます。たぶん、ロタウイルスによるものなのでしょう。
それと、嘔吐や熱は軽いものの、下痢が長引くタイプもあるようです。
4月中旬ころからずっと、嘔吐下痢症は小流行していますが、なかなか沈静化しません。

次に、アデノウイルス感染症(いわゆる「プール熱」)。
「流行」というほどではないのかもしれませんが、咳や鼻は比較的少なく、高熱が主症状で、診察すると、のどが赤い。こういったお子さんがやや増えています。
検査すると、アデノウイルス陽性となることが多く、一見、「インフルエンザかも?」と思ってしまうのですが、そうではないようです。
アデノウイルスには、インフルエンザと違って、例えばタミフルのような、特効薬がないので、対症療法となります。熱が長引くことが多いので、やっかいなカゼのひとつです。

インフルエンザも、まだ散発的に出ています。A型、B型、両方混在です。症状は、受診時には、「熱だけです」といいうケースが多いです。高熱ともかぎらず、意外と元気なお子さんもいらっしゃいます。あなどれない・・・・
ともあれ、気温20度を超える季節で、インフルエンザ。
ウイルス自体が、熱に強くなっているのか、それとも、検査法が発達したので、これまでインフルエンザとわからずに見過ごしてきたものが、はっきり診断されているのか、その両方なのか、わかりません。
いずれにせよ、熱があるお子さんの場合、可能性のひとつとして念頭においています。

あとは、感染症ではありませんが、
雑草系の花粉症。5月初旬から、症状が強いお子さんが増えています。スギ花粉症ほど、たくさんのお子さんが症状を呈するわけではないのですが、眼、鼻、それから肌症状と、強い症状が出ているお子さんもみられます。
僕自身もこれなので、対処しないといけないと思っています。思っているだけになってますが。

それから、アトピー性皮膚炎や、乾燥肌のお子さんの湿疹がひどくなってきています。
原因のひとつには、汗をかく気温になってきていることがあると思います。汗+湿疹で、かゆみが強くなり、搔き壊してまたかゆみが強くなる、という悪循環に入ってしまうことが多いようです。
これからの季節、汗を拭く(ぬれタオルで!)のはとても大切です。また、冬場使用していたワセリンなどの油っぽい保湿剤は、どうも、あせもをひどくしてしまうことが多いように感じており、少しサラッとしたクリーム系の保湿剤をおすすめしています。どうしてもかゆみが強くなってしまう場合、いつもより少し強めのステロイド薬を、短期的にしようすることも、おすすめしています。搔き壊してしまうと、「とびひ」にもなりやすくなります。

このあと8月いっぱいくらいまでは、小児科診療所は比較的落ち着いた時期になりますが、頭の中は、秋からのインフルエンザワクチンの枠設定を考え始めています・・・