ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

流行状況

最近,梅雨どきにはめずらしく,ヘルパンギーナ(ウイルス性の,のどかぜのひとつ)が流行しています。

発熱(比較的高熱で,2日間程度続きます)と,のどの痛みが主な症状です。
抗生剤は必ずしも必要ではありませんが,中耳炎や,扁桃炎などを合併するお子さんでは,同剤の併用を行います。あとは,必要に応じて鎮痛(のどが痛くて,のんだり食べたりできない場合)を行います。
なかには,似た症状を呈する「アデノウイルス感染症プール熱)」が疑われるお子さんもあり,こちらは出席停止となることがあるので,必要に応じて,迅速検査を行っています。ただ,今のところ,陽性となるケースは少ないです。

嘔吐下痢症(急性胃腸炎)は,減少傾向ではあるものの,散発しています。重症になるお子さんは,少ないです。

溶連菌感染症も,学校単位,保育園・幼稚園単位での小流行がみられています。
症状は,上に書いたヘルパンギーナと似ていますが,のどの赤みがさらに強いという特徴があります。こちらは,抗生剤投与が必須です。また,回復後,「溶連菌感染後急性糸球体腎炎」発症の可能性があるため,検尿を行わなければなりません。

その他,感染症ではありませんが・・・
虫さされや,気候変化によると思われる気管支喘息の発作による受診のお子さんが増えています。
虫さされも,放置すると,掻きこわして「とびひ」になったりすることもあり,腫れやかゆみが強い場合は,外用薬による積極的な治療が必要です。
気管支喘息については,この時期,台風の接近や,朝晩の意外な気温の変化などで,発作となるケースも多いようです。「暖かくなって,カゼも,はやりを過ぎたから」といって油断せず,定期的に使っているお薬を忘れずに使用するようにしましょう。それでも「ゼイゼイしてしまう」場合,早めの受診をおすすめします。

沖縄は早くも梅雨明けだそうです。
これから,夏がやってきます。
すなわち,熱中症にも注意が必要な季節になります。予報でも,この夏もかなり暑くなるようですので,外出時など,暑さ対策(紫外線対策,あせも対策,脱水対策などなど・・・)に気を配りましょう。