ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

インフルエンザ?!

昨日,発熱と咳のお子さんを診察していたときのこと。

お母さんが,こうおっしゃった。

「この子のお姉ちゃんの幼稚園で,インフルエンザが流行っていて,学級閉鎖になるそうです。」

「え。えーと,いま,『インフルエンザ』っておっしゃいました?」

「インフルエンザ。」

経過と診察所見上,このお子さんはインフルエンザの検査をしませんでしたが,びっくりしてしまいました。この時期に,まだインフルエンザ・・・

とすると,その方面からいらっしゃったお子さん,状況によっては,また検査か?

たとえば,ロタウイルスによる胃腸炎。かつては,「乳幼児冬季下痢症」と言われていたように,冬場に流行るものでしたが,最近は夏場でも流行があるようです。このように,インフルエンザも,だんだんと,通年性の病気になっていくのでしょうか。そしてこれってのは,ウイルスの何かの変異なのでしょうか。ウイルスも,自分たちが生き延びるために,いろいろと変身していくことがあるようですから,本当にあなどれません。「この時期だから,それはないよねぇ」と,鑑別から外せなくなってしまいます。

それほど古くない常識や学んだことについても,常にアップデートしていかないと,ウイルスに置いていかれそうです。特に急性感染症は,小児科診療の中で非常に大きいウェイトをしめる分野だけに,なおさらです。

ちなみに。
ここ数日,またもや「嘔吐下痢症」の流行がみられています。熱と咳が主症状のカゼも出ていますが,いずれにしても,幸いにして重たいお子さんは少ないです。