ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

アレルギー話(第8回)

今回は,気管支ぜんそくについての第1弾。

ぜんそく」というと,「ゼーゼーして,呼吸がくるしい」というイメージでしょう。そしてそれは,その通りです。

ぜんそく」は,シンプルに言うと,「気道(空気の通り道。気管支など。)が炎症を起こした結果,それが狭くなってしまっている状態」のことです。

狭いところを無理に空気が通れば,たとえば,風船に空気入れて,その口を少し緩めると,「シューッ」と音がでますが,あれと同じで,音がします。それが「ゼーゼー」です。

当然,呼吸するのがつらくなり,くるしくなります。

さて,どうしてそうなるのか。

原因は,大きく分けると,アレルギーによるものと,そうでないものがあるようです。もちろん,原因が混在することもあるでしょう。

アレルギーによる喘息は,専門的には「アトピー型」といって,たとえばホコリやダニ,カビなどにより,「ゼーゼー=発作」が誘発されやすいタイプです。検査すると,アレルギー体質があり,ハウスダストや,ときに食物(卵など)にアレルギーがあることが判明することが多い。

一方,お子さんで比較的多いのが,「アレルギーとは言い切れない」喘息で,専門的には,「非アトピー型」と言います。これは,たとえばカゼをひいた場合に,「ゼーゼーしやすい」タイプです。検査しても,アレルギー体質とは言えない場合が多い。

ところがここが問題で,小さいお子さんになればなるほど,「ぜんそくじゃないけど,ゼーゼーする」ことが多いのです。小さなお子さんは,体が小さいぶん,もともと「気道」が狭い。カゼをひいて痰が増えれば,ますます「気道」が狭くなる。そうするとあたかも喘息の発作のようにゼーゼーしてしまいます。

「この子はぜんそくなんでしょうか?」

という質問に対して,なかなか即答できないのは,そのためです。

第9回に続く。