ベル小児科の院長日誌

前橋市の小児科診療所です。

長引く咳

最近,「咳が長引く」お子さんが非常に多い。

どうも,問診すると,『数日間の発熱のあと,咳が治まらない(またはひどくなる)』というケースが多いように思います。

一時期,「RSウイルス」や「マイコプラズマ」などが,報道でも騒がれていましたが,こういったものの可能性が高いと考えながら診療しています。もちろんそれだけではないのでしょうが・・・

「RSウイルス」は,「ウイルス」ですので,抗生剤投与は無意味です。痰や鼻水などの気道分泌物が増えるので,鼻処置(鼻吸引など)や,吸入療法などで,分泌物の排出を促すのが重要な治療になります。

マイコプラズマ」は,ウイルスと細菌のアイノコのような性質をもっていますが,抗生剤も効果があるようです。ただ,「咳が長引く→マイコプラズマかも→抗生剤投与」という一辺倒の治療は良くないと思います。おそらく,感染初期の発熱期には,症状改善のために抗生剤投与が奏功するのでしょうが,回復期になって持続する咳には,「RSウイルス」の時と同様に,対症的な治療が重要になると考えています。

中には,日頃から気管支喘息の治療などを行っているお子さんもいらっしゃいます。上のような感染を契機に,発作が誘発される場合も多々あります。

それぞれのお子さんの経過・状態を見極めて,必要十分な治療を提供できるよう,悩みつつ診療しています。

咳は,不必要な分泌物を排出するためのものでもあるため,安易に止めすぎない方が良いという理屈もあり,ただ,夜ごと咳き込んで吐いてしまったりする場合は,咳止めも必要だし・・・

このあたりが,悩ましいのです・・・